小説

奥州王

武士の棟梁と言われる「源氏」。その源氏の基礎をきずいたは頼義、義家親子が登場する前九年・後三年の役。 この本はその前九年の役を安倍氏側から書いています。 しかし、文章中に作者の感想や意見等が入ってきているのでいまいち小説としては楽しめません…

フォックス・ストーン

昨日に引き続いて笹本稜平さんの作品。有名なジャズピアニストが東京で事故死した。 その事故に不審を覚えたかつての戦友はその真相を調べる為にアメリカに飛ぶ。 調べて行くうちに彼はアフリカに眠る怨念とも言える謀略とそれにまつわる人々の怨念に巻き込…

太平洋の薔薇

マラッカ海峡を進む貨物船「パシフィックローズ」と船長の柚木静一郎。船長の柚木は若い頃から世界中の航路を行き来し、「パシフィックローズ」の処女航海を担当したのも柚木だった。そんな両者は年を重ね共にこれが最後の航海だった。 しかし、彼らの船がテ…

黒い悪魔

時はナポレオン登場直前のフランス植民地のサント・ドミンゴ。コーヒー農園で働く人々の中に人並みはずれた体と褐色の肌を持つ少年がいた。彼は農園主と黒人奴隷の間に産まれた混血児であった。 この物語はその彼がフランスに渡り、フランス革命とナポレオン…

風魔

後北条氏の覇業を支え、北条氏の滅亡と共に歴史の闇えと消えていった忍者集団「風魔」この本はその風魔一族でももっとも有名な五代目風魔小太郎と、最後の足利公方氏姫との関係を主軸に物語が進んでいきます。 物語は北条氏滅亡の直前から徳川幕府成立の頃ま…

蛇の王

18世紀のインドを舞台に、自らの手で他人を殺害しその財物を奪う事を教義としている古代より続く秘密結社「タグ」。その王であるナーガラージを主人公にした小説です。 インドの歴史をテーマにした歴史物は少ないので興味があったのですが、中身はいまいち…

ナイジェル卿の冒険

コナン・ドイルの白衣の騎士団に登場するナイジェル卿の若き日を描いた歴史物です。この作品中には前作にも登場するエイルワードやブラック・サイモン等との出会い等も描かれていますので、出版順とは逆ですが今作を読んでから白衣の騎士団を読むとより楽し…

白衣の騎士団

100年戦争を舞台に一人の青年の目を通して描かれた歴史絵巻ですね。 ホームズシリーズで有名なコナン・ドイルの描く歴史物はどんな物か興味があったので読んでみたのですが大正解でした。魅力的な登場人物達といい、読んでいる人を歴史絵巻に引き込んでいく…

異端の大義

「再生巨流」に続く企業物です。 私的は青狼記みたいなのが読んでみたいですね。異端の大義 (上)作者: 楡周平出版社/メーカー: 毎日新聞社発売日: 2006/03/16メディア: 単行本この商品を含むブログ (7件) を見る

ウィーンの冬

プラハの春を読んで面白かったので読んでみたのですが、期待していたほどは楽しめませんでした。前二作にあった様な壮大な歴史のスケールの中で奮闘していた感が薄いような気がしました。 今作では現実にあった某宗教集団の動きを思い起こさせる様な集団が企…

イコン

「戦争の犬たち 」や「ジャッカルの日」等のベストセラーを生み出したフォーサイスが、共産党体制崩壊直後のロシアを舞台に送る極上のスパイ小説。 共産党体制崩壊直後のロシアに現れた人気政治家。人当たりがよく、演説も巧みで、大衆に受け入れられ権力の…

R.O.E 交戦規則

六機の特殊の作者が今度は自衛隊とテロリストの戦いをテーマにしています。作品を読むと今自衛隊が抱える様々な問題点が明らかになっていきますよ。 前作の六機の特殊ではとても面白かったのですが、今作は何かいまいちでしたね。焦点が自衛隊にあるのはわか…

六機の特殊

世界的なテロリズムの流行に対応するために編成された警視庁警備部第六機動隊、通称六機。ここに配属されたキャリア官僚である小隊長を主人公に物語が展開していきます。 読み終わって思ったのは「とにかく面白い!」登場人物達も魅力的ですし、ストーリー展…

黒の狙撃者

最近脇役にまわる事が多いリーアム・デブリンが主人公として活躍する小説です。 東西冷戦時代を歴史的な背景として、西側諸国に社会的混乱を引き起こすためにアイルランドに送り込まれた工作員。彼は20年以上に渡ってカトリック・プロテスタント両者の和解…

海国記

日本の歴史において一時代を華々しく飾った平家。この本はそんな平家が何故権力を握れたのかがよくわかる小説です。 教科書等に出てくる平家は院の寵愛を得て権力を握った様に書かれていますが、彼らが何故院の寵愛を得られたのかの説明はありません。この本…

6ステイン

亡国のイージスやTwelve Y. O.で描かれていた諜報組織のサイドストーリー的な物が6本集まった短編集。短編とはいえそれぞれが福井ワールドの面白さに引き込んでくれる作品ばかりです。 私的には「断ち切る」に出てくる老人がいい味をだしていて気に入ったの…

秀吉 朝鮮の乱

豊臣秀吉の朝鮮侵略戦争である文禄・慶長の役をあつかった小説は何点かありますが、この本は朝鮮・明側の動きがメインのテーマとしてきちんと描かれている小説です。 日本側の動きに対して朝鮮や明がどの様な反応を示し、どの様な行動を起こしたのかが当事者…

テロリストに薔薇を

ベトナム戦争中に戦場のまっただ中で出会ったマーティン・ブロスナンとアン・マリイ。互いに引かれ合う二人だかブロスナンは退役後IRAの活動となり、そこでリーアム・デブリンと知り合う。しかし彼は武器の受け渡しでフランスに行った際に裏切りに合い混乱の…

逃亡

第二次大戦中香港で憲兵隊員として活動していた主人公。しかし終戦と共に戦犯とされる事を受け入れられない彼は憲兵隊から逃亡し、中国そして日本、彼の過酷な逃亡生活が始まる。 主人公は憲兵ですが、よくある鬼の憲兵の物語ではなく一人の戦犯とされた日本…

血と夢

現在ニュース等でもあまり見かけなくなったアフガニスタン情勢。少し前まではイスラム原理主義者タリバンが支配し、その前は旧ソ連の後押しを受けた政府の支配下にありアメリカの後押しを受けたムジャヒディンと呼ばれるイスラム教徒との熾烈なゲリラ戦が展…

樹海戦線

東西冷戦が激しく火花を散らしていた80年代、ニューヨークでソ連代表団の車が事故を起こす。しかし、運転手は外交官特権も主張せず何もしゃべらない。 普段と様子が違う事を不審に思うNPDだがその近くで乱暴された女性の死体が見つかり関係を疑うが、結局…

徳川四天王

徳川家の四天王酒井忠次・本多忠勝・榊原康政・井伊直政をテーマにした小説。 のはずなんですが、メインは本多忠勝で他の三人はサブ的な扱いです。 あまり指摘されることもありませんが、固く団結していた徳川家でも当然派閥争いはあり、豊臣家の様に武官対…

覇商の門

戦国時代の豪商今井宗久の一代記。武将中心になりがちな戦国時代の小説で数少ない商人を主人公にした物語です。 戦国時代の商人と武将の関係を見ていて、古今東西権力者と商人の関係って余変わってないんだなと思ってしまいました。(笑) 文章が簡単で読み…

蒼き海狼

文禄・弘安の役の後、更なる元の襲来におびえる鎌倉幕府。そんな幕府は元に官庁を派遣して情報を集めることにした。選ばれたのは鎌倉幕府草創期の功臣朝比奈一族の末裔だった。船に関する情報を集めるためには海の一族である朝比奈家はうってつけだったから…

復讐の血族

ジャック・ヒギンズが送るショーン・ディロンシリーズの最新作 今回の作品ではベドウィンとイングランドの両方から戦士の血を受け継いだ兄弟達が母親の復讐のためにテロを企てる。 アメリカ大統領キャザレットは間一髪難を逃れるが、更なる企てを防ぐ為にイ…

武王の門

時は鎌倉幕府が滅亡し建武の新政も足利尊氏の前に消え去った。そんな中南朝の復興を願い九州の地に降り立った皇子がいた。名は征西大将軍「懷良」。九州の地を南朝の勢力下におきそこからの反攻を目指し、忽那水軍と菊池武光を両輪に戦乱の中に飛び込む。 し…

嵐の眼

人気作家ジャック・ヒギンズが送るショーン・ディロンシリーズの第一作です。数々の魅力的なキャラクターを生み出してきた筆者がまた新たなヒーローを登場させました。 元IRAの凄腕の闘士で悪魔的な知能と一瞬で自分の体を老若男女の姿にすることで1000の顔…

龍の契り

世界の作家がテーマにしてきた香港返還にまつわる密約。そのテーマにこの本がデビュー作の作家が挑む。 香港返還直前のイギリスで火事が起きオーディション中のモデル達が巻き込まれ死亡した。その被害者達の中には身元が明かされない人もいた。 そして時は…

真田太平記

鬼平犯科帳などで有名な池波正太郎が描く真田昌幸・真田信之・真田幸村達真田一族の盛衰を圧倒的な迫力で描く大長編物語です。 この本を読めば真田幸隆の登場から上田の陣での昌幸達親子の活躍、大坂の陣での幸村の討ち死にそして信之の徳川時代の活躍と日本…

国銅

奈良天平文化の象徴ともいえる奈良の大仏。日本の仏教が大きく花開いた時代に華々しく登場した大仏は華やかな光に包まれて誕生し、今もその光に包まれている。 この物語はそんな大仏に使うための銅を掘り出す労役に従事させられ、そして故郷長門の国から奈良…