昔話の考古学

昔話で誰もが聞いたことのある山姥に関する話を「古事記」「日本書紀」等の神話の世界から読み解き、そしてそれらの比較から土偶等をはじめとする古代人の宗教観までを説明してくれています。
誰もが聞いたことのある山姥に関する話が、日本各地の離れた所で同じ様な話が残っていたり、その話も様々なバリエーションがあることに驚きました。
今ほど人の交流がない時代になんで日本の北と南で同じ様な話が伝承されているんでしょうね?
これもやはり古代から連綿と同じ様な信仰が続いてくる中での偶然の産物なんでしょうね。
それに人の多産にしろ食物の豊作にしろ豊饒へのあこがれとそれを生み出す女性への畏敬の念が古代人の心の奥底にあることがよくわかりました。
やはり「女性は太陽」の言葉に間違いはないんですね。

昔話の考古学―山姥と縄文の女神 (中公新書)

昔話の考古学―山姥と縄文の女神 (中公新書)