龍の契り

世界の作家がテーマにしてきた香港返還にまつわる密約。
そのテーマにこの本がデビュー作の作家が挑む。
香港返還直前のイギリスで火事が起きオーディション中のモデル達が巻き込まれ死亡した。
その被害者達の中には身元が明かされない人もいた。
そして時は立ち中国系の血を引く女優が日本のトップクラスの企業の社長に謎めいた方法で接近する。
その意図は何か・・・そしてその結末は・・・
日・中・英各国の思惑が様々に絡み合い、そして国同士の思惑の中に個人の思惑がさらに絡み合って物語が複雑に絡み合って進行していって、最後まで気を許すことができませんでした。
人気作家の服部真澄のデビュー作ですが、このデビュー作を読むだけで何故人気作家なのかがよくわかるほどの圧倒的なリアリティと構成力です。

龍の契り (ノン・ポシェット)

龍の契り (ノン・ポシェット)