2005-09-01から1ヶ月間の記事一覧

樅の木は残った

江戸時代の伊達騒動を舞台に、御家のために苦闘する家臣たちを描く山本周五郎の名作。 教科書的な歴史でいえば原田甲斐は大悪人になるのでしょうが、ここでは御家の存続のために「下馬将軍」ともいわれた老中「酒井雅楽頭」と伊達家の実力者「伊達兵部」の懐…

馬産地ビジネス

競馬場では役者は変われど日々舞台が行われている。サラブレッドはその中を颯爽とターフを駆け抜け、勝利した馬は喝采を浴び主人公となり、敗れた馬はひっそりと去っていく。普段私たちがみる競馬が舞台の上だとすると、この本は舞台裏描いた物語です。 その…

NOBUNAGA 信長欧州遠征記

天正10年6月2日、紅蓮の炎に包まれる本能寺を見た人々は信長の死を受け入れた。 しかし、信長は生きていた! 乱世を走り抜けてきた彼は自分の手で安定に向かう日本より、イスパニアの宣教師から聞いた今まだ戦乱に包まれる欧州に興味を抱いたのだ。 そして彼…

燃える男

主人公は戦争の日々につかれてナポリの親友の元を訪れる。そこで新たに紹介された仕事である少女と出会い、そして、主人公の新しい戦いが始まっていく。 この本は以後も続いていく「クリーシィ」シリーズの第一作で以後も続いていくのですが、なんと言っても…

アフリカの蹄

帚木蓬生が描く医療サスペンス。 アフリカの大地で絶滅した天然痘が流行し始めた。そのアフリカで最先端の臓器移植を学ぶ日本人医師がとった行動は・・・。 今、世界各地でテロが起き、そして今恐れられているシナリオの一つが天然痘を使った生物テロ。そん…

続813

前作からの続編。 さすがルパンシリーズの最高傑作と言われているだけあって、答えがわかったと思ったらひっくり返るの連続で、最後の最後までハラハラドキドキしました。最後の1ページまで楽しめますよ。 前作にもまして、外に対しての自信家で冷笑家でいる…

人名用漢字の戦後史

最近周りで子供が産まれたので何となく気になりました。人名用漢字の戦後史 (岩波新書 新赤版 (957))作者: 円満字二郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2005/07/20メディア: 新書 クリック: 30回この商品を含むブログ (35件) を見る Page Top

813

皆さんご存知の「怪盗ルパン」シリーズ。今秋生誕100周年記念で映画化されるために再販されてました。 ルパンシリーズは小学校の時に読んだだけなので、原作がどんなものかと思って読んでみました。 推理小説なので中身は詳しくは書きませんが、イメージ…

臓器農場

最近は特別なニュースとして報道されずに、少しずつ一般的になった脳死患者からの臓器移植。その中で最近議論されているのが、現在は禁止されている子供の脳死患者からの臓器移植。 先天性の病気などで臓器移植しか治療方法が無いにも関わらず、子供からの臓…

真相 里見八犬伝

小学生の時に子供向けの本で読んだ事のある里見八犬伝。昔から原作を読んでみたかったので図書館で見かけたとたん借りてました。 家に帰って読んでみたらこの本は期待していた歴史を題材にとったファンタジーの原作ではなく、正統派の歴史小説でした。 戦国…

楊家将

ハードボイルド作家北方謙三が描く歴史もの。私はこの作者の現代物も好きだったんですが、歴史物の方が数段面白く感じますね。 今回は中国の歴史上の人物、楊業とその一族の物語。 中国では三国志や水滸伝にひけをとらない有名な物語で京劇等では有名な演目…

黄昏の岸 曉の天

これから明るい未来が待ち受けているかと思われた国に、一転暗雲が現れる。 シリーズの中でも読ませる本だと思いますね。 いろいろ面白いと思える部分があるんですが、とにかく読んでみないとこの面白さは伝わらないと思います。 しかし、読んでて思ったのが…

閉鎖病棟

普段私たちが目にする事の無い精神病院を入院患者の目を通して書いています。 精神病院内の日常やそこで起こる様々な出来事、現役精神科医の作者が描くヒューマンドラマ。 小説の中で登場人物の心理描写は秀逸です。 1995年山本周五郎賞受賞わたしはこの賞の…

ヒトラーの防具

統一されたドイツで現地の人々に剣道を教えている駐在邦人。 そんな彼の元に旧東ドイツ地域の大学に昔の剣道の防具らしきもののがあるとの情報が入る。 そこで彼がみたものは・・・。 そんな書き出しで始まる第二次大戦中のドイツを舞台に繰り広げられるスト…

風の万里 黎明の空

前作の「月の影 影の海」に引き続きの物語です。 前作の終盤の盛り上がりが今回の作品でさらにヒートアップしてますね。 前作では張られた様々な伏線がここで結実して魅力的なストーリーになってます。 今の世の中、政治にあまり関心を持たない風潮がありま…

月の影 影の海

これはいいですね、読み応えがあって! このシリーズはこの本から始まったので、今まで謎だった事やよくわからなかった事が丁寧に書かれていて、改めて世界観に圧倒されました。 最初は何となく軽い感じで話が進んでいったんですが、後半にかけて盛り上がっ…

二河白道

徳川家康の名参謀本多正信が主人公 家康と寝転がりながら作戦を練ったほどの親友として通常言われているが、彼が家康の家臣であった時間はたの四天王と言われている人物たちより短い。彼は一向宗の信徒であり三河の一向一揆に際して、一向宗側に立ち家康に反…

風の海 迷宮の岸

うーん(~ヘ~;)昨日読んだ2冊に比べて軽いかな?私としてはもう少し重めのものが好きなんですが・・・話としては面白いですよ、麒麟の成り立ちなんかがよくわかってこれからのシリーズを読むためには読んでいた方がいいとは思います。 でも、もう少し突っ込…

華胥の幽夢

昨日に引き続いて読んでます。いつもの事とはいえ、一旦はまると続けて読んでしまいますね。 今回は短編集でした。面白かったのは「書簡」と「華胥」はなかなか読み応えがありました。基本的に短編なので、本編を読んでから読むと面白いかも。華胥の幽夢 十…

東の海神 西の滄海

前から気にはなっていたのですが、ある方からの強烈プッシュにより読んでみる気になりました。 なかなか読む気になれなかったのは、何となく女の子向けファンタジーかと思っていたのです。 読んでみて脱帽です。こんなに骨太なファンタジーだとは思いません…

図南の翼

前作に引き続いて読んでみました。 前作がサスペンスだとするとこれはアドベンチャーな感じですね。 主人公の少女は、最初はよくいる頭でっかちな子供だったのに、旅の中でのいろいろな体験で成長していく様子はよくあるパターンとはいえ、主人公を護衛して…