樅の木は残った

船岡山城址公園江戸時代の伊達騒動を舞台に、御家のために苦闘する家臣たちを描く山本周五郎の名作。
教科書的な歴史でいえば原田甲斐は大悪人になるのでしょうが、ここでは御家の存続のために「下馬将軍」ともいわれた老中「酒井雅楽頭」と伊達家の実力者「伊達兵部」の懐に飛び込んで自分を信じる人々をも欺いて苦闘する忠臣「原田甲斐」が描かれています。
伊達騒動には発生当時から様々な解釈が行われ現代でも続いていますが、登場人物たちが本当は何を考えていたのかなんて言うのはわかるはずも無く、状況証拠から積み上げてこう言う事だったのではないかと解釈をおこなっていくしかありません。
歴史とはそうやって様々な状況証拠を積み上げていって解釈していく学問です。
例えば、私が学生時代の教科書には縄文時代は戦争が無く平和な時代だったとか、古代栄えた4大文明という事も、現在では様々な証拠が積み上げられて違うんじゃないかという方向に向かっています。
そうやって、絶対的な正解がない歴史という学問が私は大好きですね、何と言っても自分の想像力を働かせる楽しみがありますからね。
ちなみに写真は原田甲斐の居城だった船岡山から船岡の町並みを写してみました。
その他にも柴田町には関連史跡があるので興味がある方はこちらの地図を参考に行かれてはどうでしょう。→柴田町に残る「樅の木は残った」関連の史跡

船岡城跡
原田甲斐の居城。
現在船岡城址公園として整備されていて、郭等もよく残っているので当時を思いながら散策する事もできます。
柴田外記の墓
原田甲斐に切られたとされる柴田外記の墓。
船岡城は元々柴田氏の居城で、彼の墓は船岡城址公園から徒歩10分ほどの大光寺にある。
看板等は無いので行かれる方は本堂のすぐ裏の急な階段を登り、最初のアスファルト舗装の道を左に入っていくとすぐ右手にあります。
麹屋
作中で胡桃味噌を作っていた麹屋。
現在は麹屋コレクションとして開館中。


樅ノ木は残った(上) (新潮文庫)

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