江戸城御庭番

忍者と言えば黒ずくめで空を舞い、水の上を走り、地に潜り様々な術を使う。
そんなイメージが先行していて本当の所は謎に包まれています。
この本はそんな忍者の末裔と言われ、同じ様なイメージで見られている江戸時代の御庭番の実像を同時代の書類や彼らの日記を元に解き明かしています。
この本を読めば彼らが様々な術を使ったりする異能の職業集団ではなく、普通の人間と同じ様に歩き、普通の人間と同じ様に食べ、そして同じ様に悩んでいる事がよくわかります。
ただ、彼らを御庭番足らしめているのが、彼らに綿々と受け継がれてきた徳川家への忠誠心と情報収集の技なんだなと思いました。

江戸城御庭番―徳川将軍の耳と目 (中公新書)

江戸城御庭番―徳川将軍の耳と目 (中公新書)