ヒトラーの防具

統一されたドイツで現地の人々に剣道を教えている駐在邦人。

そんな彼の元に旧東ドイツ地域の大学に昔の剣道の防具らしきもののがあるとの情報が入る。

そこで彼がみたものは・・・。
そんな書き出しで始まる第二次大戦中のドイツを舞台に繰り広げられるストーリー。

ドイツ人と日本人の間に産まれた主人公がその時代の中で何を感じ、どんな行動をしていくのかが淡々と描かれています。
現実と虚構がうまく混ざり合って、もしかしたらノンフィクションを読んでいる気にさせる作者はさすがだなと感心しました。
その分ラストシーンはもうちょっとかな?
第二次大戦中の日独関係が詳しく書かれていて、現実の歴史の勉強がてらに読んでも役に立ちますよ。

ヒトラーの防具(上) (新潮文庫)

ヒトラーの防具(上) (新潮文庫)